実質リターン(じっしつりたーん)
カテゴリ: 基本概念
名目リターンからインフレ率を差し引いた、実質的な購買力の増加分。見かけ上プラスでもインフレに負けていれば実質マイナスになる。
実質リターンとは
実質リターンは、投資で得た名目上のリターンからインフレ率を差し引いた、購買力ベースの実際の増加率です。たとえば年5%で運用できても、インフレ率が3%なら実質リターンはおよそ2%に過ぎません。お金の額面は増えていても、同じ金額で買えるモノやサービスの量で見れば期待ほど増えていないことになります。「いくら増えたか」ではなく「何が買えるようになったか」を考える指標です。
名目と実質の計算式
おおざっぱには「実質リターン ≈ 名目リターン − インフレ率」で求めます。厳密には(1+名目リターン)÷(1+インフレ率)−1 で計算するフィッシャー方程式を使います。名目5%・インフレ2%なら、厳密計算で(1.05÷1.02)−1 ≈ 2.94%。低インフレなら近似式でも大差ありませんが、高インフレ下ではきちんとした計算が必要です。
預金の実質リターンに注意
日本の普通預金金利は0.001〜0.2%程度ですが、2024〜2025年のインフレ率は2〜3%台で推移しています。つまり預金は実質リターンがマイナスの状態です。100万円を10年預けても額面はほぼ変わらないのに、物価が20%上昇すればその100万円で買えるモノは実質83万円分に目減りします。現金だけを持ち続けることは「何もしない」ではなく「じわじわ損する」ことに近いのです。
長期で実質プラスを狙う資産
歴史的にインフレを上回る実質リターンを出してきた代表が株式です。米国株の過去100年以上の実質リターンは年6〜7%程度で、インフレに強い資産として知られています。不動産(REITを含む)や金も、物価連動の側面があり実質リターン確保に役立ちます。逆に、長期債券はインフレ局面では実質リターンがマイナスになりやすいので、資産配分を考えるときはこの点を意識する必要があります。
よくある質問
- Q. 実質リターンと名目リターンの違いは?
- A. 名目リターンは額面上の増加率、実質リターンはそこからインフレ率を差し引いた購買力ベースのリターンです。同じ5%でも物価が2%上がれば実質は約3%です。
- Q. 預金だとなぜ実質マイナスになる?
- A. 普通預金の金利は0.2%程度ですが、近年のインフレ率は2〜3%台です。金利がインフレ率を下回っているため、預金残高の購買力は毎年目減りします。
- Q. 実質リターンを確保するにはどうすれば?
- A. 株式・不動産(REIT)・金など、歴史的にインフレを上回ってきた資産への分散投資が有効です。預金や長期債券だけに偏るとインフレ局面で購買力が減るリスクがあります。
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最終更新: 2026-04-15